会員の藤井さんが企業の社員向け講演会で「語り」を披露

2021年10月27日、キャンサーサポート北海道の「がんの語り手」の藤井啓道さんが、アクサ生命保険札幌FA支社の社内研修に講師として招かれました。藤井さんは札幌市内で社会保険労務士、行政書士として事務所を構えています。開業から間もなく大腸がんの手術を受け、その7年後には耳下腺がんも見つかりました。耳下腺がんの治療では、納得のいく医療を求めて東京の病院を探し、現在も後遺症の治療のため定期的に東京に通っています。

こうした体験を「人生の3分の1をがんと向き合って」と題して語りました。20分あまりの時間で、闘病中のさまざまな段階での肉体的な苦痛や精神面の不安や恐怖、葛藤などを伝えました。また、加入していた複数の保険に大いに助けられたものの「がん治療にはお金がかかる」ことを痛感。費用をまかなえず治療を中断する人も見てきて、患者さんを経済面で支援できないかと考えるようになったいきさつを語りました。現在は事務所の仕事として、がん患者が障害年金を受給するための相談、申請代行などに力を入れているそうです。

研修に参加したのは約50人。時節柄、半数はオンラインでのリモート視聴になりました。日頃は保険商品を販売する営業担当のかたが中心とのことです。担当の方は今回の狙いを「20、30代の若手は、がん闘病といってもなかなかイメージできない。健康に働いているごく普通の人ががんになったらどんなことが起きるのか、想像してもらいたかった」と話していました。研修後のアンケートでは「実際に体験された人の話を聞くのは初めてで衝撃的だった」「あらためて『お金と保険』の大切さを実感した」「今後、お客様が困った時に相談させていただきたい」などの感想が寄せられていました。

キャンサポとしても、こうした企業内研修に招かれるのは初めてのことです。私たちにとってもとても貴重な体験になりました。

写真:企業で語る藤井さん