「語り」で思い伝える がん教育教職員セミナー

札幌市内の小中学校などの先生たちを対象とした「がん教育教職員セミナー」(札幌市主催)が7月26日、札幌市内で開かれ、キャンサーサポート北海道(キャンサポ)で語り手として活動している田中奏実さん(29歳)が「18歳でがんになって」と題し、語りを行いました。2019年1月に新琴似北小の5年生の「道徳」の授業で「生命の大切さ」をテーマに行ったものと同じ内容で、キャンサポの小学校での語りのモデルとして提示しました。

18歳で悪性胸膜中皮腫と診断され、手術、抗がん剤、放射線治療を受け、その後、さまざまな困難に出合いながらがんサロンやキャンサーサポート北海道、中皮腫・アスベスト患者家族の会との出会いを通じて、仕事をしながら元気に生きている様子を約20分にわたりスライドをまじえて伝えました。
同席したキャンサポ理事から「語りを聴いた子供たちの感想文から、しっかり受け止めてくれたことが分かり、がん患者の語りががん教育に果たす役割は少なくないと感じた」と伝えました。
会場からは「こうした語りをもっと多くの学校で実践してほしい」「高校での語りをお願いしたいがどうか」といった意見や質問が出ていました。

 

<ご案内>「がんの語り手養成講座・応用編」と「発展編」受講について

札幌市の補助事業として、当法人が3カ年にわたり続けてきた「がんの語り手養成講座」は次回・9月28日の応用編で一区切りとなります。この間、90名以上の方に養成講座に参加していただきました。また、学校や市民公開講座、医療者向け研修での語りを修了生とともに行いました。語りが聞き手に与える効果について分析し、成果を学会で発表したところ、高い評価をいただきました。

さて、札幌市の補助事業以前に当法人の旧カリキュラムで語り手講座を受講された方もおられると思いますが、皆さまを【基礎編受講済み】とさせていただくことに致しました。応用編を修了した上で登録すれば語り手としての活動にご参加いただけます(登録は単年度ごと)。この機会に、下記ご参照の上応用編の受講をお申し込みください。
https://cancersupport.jp/ganpa/schedule.php

秋からは「発展編」として、聞き手別の語りの内容を検討する「勉強会」を次の日程と内容で行います(時間は全て午前10時〜午後5時、会場はいずれも市民活動プラザ星園=札幌市中央区南8西2)。

10月19日  語り手派遣説明会と小中学生向けの語りの実践勉強会
11月9日  医療者向け語りの実践勉強会
12月7日  企業向け語りの実践勉強会

札幌市の補助事業以前に当法人の旧カリキュラムで語り手講座を受講された方も参加可能です(無料)。お気軽にお申し込みください。

一緒に語りのよさを社会に広げていきましょう。

上記受講等のお申し込み、お問い合わせは media@cancersupport.jp までどうぞ。

【プロの話し方講師の指導が受けられる語り手講座応用編】

6月15日、語り手養成講座応用編を市民活動プラザ星園(札幌市中央区南8西2)で開きました。
応用編では毎回、元テレビ局アナウンサーの話し方講師の先生に指導していただいています。
早口言葉や舌の体操などを教えていただき、1人1人が語りをしてフィードバックをもらいます。とても温かく、そしてもっと良くなる点を的確に教えていただいています。

指導は次のような感じです。

「話すスピードがちょうど良かったです。淡々とした中に、心情が伝わってきました」「聞き取りにくいところが少しありましたね。特に治療に関する言葉はゆっくりはっきり発音した方が良いですね。その言葉が分からないと聞き手は、そこが『謎』になって次の話が頭に入ってこなくなってしまいます。難しい文言は何回か練習してゆっくり言ってあげるといいでしょう。早口言葉を練習するともっと変わりますよ!」

長年の経験を持つ先生の観点は多岐にわたります。言葉の使い方、聞き手に届くかどうか、間の取り方、声の出し方、抑揚や語尾の収め方など、幅広く教えていただいています。
何より先生が明るく、「さすがアナウンサー」という素晴らしい声で指導してくれます。
指導していただいた内容の一部を紹介しますね。
・言いたいことが自分の中に確立されていて、自由に話しているようだが筋から離れないことが大事
・「何を伝えるか」を自分の中で作り、相手に正確に伝えること
・好きな人が前にいると思って話すこと。聞き手の存在を大切にする

基礎編を過去に受けた方々、旧語り手講座を受けた方々で、語りをブラッシュアップしたい方、応用編を受講してみてください。

語りは他者のためであり、自分のためでもあります。語りを通じて人はいままで出会えなかった自分に気づくことができます。

<養成講座・日程>
・基礎編 7月20日(土)=終了
・応用編 8月3日(土)、9月28日(土)

<申し込み方法>
・ホームページから: https://cancersupport.jp/ganpa/schedule.php
・ファクスから:下記を明記して011-351-5466へ。
①住所(郵便番号とも) ②氏名(ふりがなとも) ③電話・ファクス ④メールアドレス ⑤受講希望日 ⑥立場(がんの種類、患者か家族かなど) ⑦受講動機(簡単に)⑧受講料振り込み予定日(申し込みから1週間以内)

【がん教育勉強会を開催】

学校と子どもたちの現状を踏まえたがん教育についての勉強会を6月8日午後、札幌市中央区のかでる2・7で開催しました。
講師に札幌市スクールカウンセラー(スーパーバイザー)で臨床心理士・公認心理師の滝川秀子さん、札幌市教育委員会保健指導担当係長の半澤郁子さんをお迎えし、子どもたちの心や教育現場の状況について話を伺いました。
学校教員、看護師、心理職、ソーシャルワーカー、がん体験者や家族などさまざまなバックグラウンドを持ったメンバーが集まり、時間を延長しても話が尽きないほど盛り上がりました。以下に話題や意見の一部を紹介します。

・2人に1人はがんに罹患する時代の中でがんについても子どものときから知っていることが長期的に見てがんに対する態度や意識、行動の変容につながる
・経験者の話は説得力があり、子どもたちの教育に果たせる役割がある
・学校現場としては外部講師を呼ぶのに勇気がいる
・発達段階や指導要領に即した話の仕方や心理的負担への配慮が必要
・命についての話をどう伝えていったらいいか一緒に考えたい
・子どもの不安、対象喪失、感情表出と共有についての理解が大切だ
・悲嘆など心理的にネガティブなものを扱うことが得意なスクールカウンセラーが果たせる役割がある
・親や教師を含めた大人ががんについて理解することが大切であり、親子で学んでもらうのが効果的ではないか
・予防教育として扱うのか、誰でもなる病気として扱うのか、どちらを取るのかで内容が変わる
・病気があっても生きるということを伝えることががん教育のポイント

最後にまずは我々を含め大人ががんについて理解し、手を携えてがん教育について考えていくことが大切だということを確認しました。

キャンサーサポート北海道は今後もこのような勉強会を定期的に開催します。関心のある方のご入会やお問い合わせをお待ちしております。問合先 media@cancersupport.jp