ニーズ調査

がん患者・体験者および家族の悩みや不安、
それに対する相談に関する調査

 「がん患者・体験者および家族の悩みや不安、それに対する相談に関する調査」は、過去にがんと診断されたことがある方およびそのご家族を対象に、2013年11月〜2014年1月に実施されました。ご本人795名とご家族531名からの貴重な声が集まりました。ご協力を賜りましたみなさまに、心より御礼申し上げます。


調査の概要

 北海道のがん患者・体験者や家族がどのような悩み・不安を持ち、悩みや不安に対してどのような相談行動を取っているのか、相談支援によって悩みや不安が軽減されているのかどうかを明らかにする。また、がん患者・体験者との関わり、相談支援や相談場所の希望、就労・医療費・保険などの生活の状況について明らかにする。

■調査対象 北海道在住のがん患者・体験者とそのご家族

■調査期間 平成25年11月〜平成26年1月
 
■調査方法 紙面とWebによるアンケート調査

■分析部数 患者795 家族531

■調査項目

  • 基本属性(性別、居住地、家族、職業、がんの種類、治療歴、日常生活の状況)
  • 「治療」「身体症状」「精神的なこと」「家族との関係や家庭」「就労」 「周囲との関係や社会とのかかわり」「医療者や病院とのかかわり」「経済」「生き方や生きる意味」「家族自身の精神的、身体的な不調」に関する悩みや不安、相談行動に関する設問
  • 他のがん患者・体験者との関わり、相談体制や相談場所の希望に関する設問
  • 就労の変化、治療費、保険に関する設問

調査のまとめ

  • 「身体症状」「精神的なこと」に関する悩みや不安を感じていた人が患者・家族ともに特に多く、「治療」「家族・家庭」「就労」「経済」「生き方」に関しても多くの人が悩みや不安を感じていた。
  • 悩みや不安を感じやすい時期は、悩みや不安の内容によって変わる。例えば、「治療」や「精神的なこと」に関する悩みや不安は、診断から治療までの早い時期、「身体症状」に関する悩みや不安は治療開始以降の時期に感じやすいと考えられる。また、「就労」に関する悩みや不安は診断直後の時期、「家族・家庭」「医療者や病院とのかかわり」「経済」に関する悩みや不安は診断から治療が終わるまでの時期に感じやすいと考えられる。
  • 患者・家族ともに、家族や身近な人に相談するなど、自助努力で悩みや不安を解決している傾向がみられた。
  • 誰に相談したらいいかわからないという理由で、「治療」「身体症状」「精神的なこと」「医療者や病院とのかかわり」などについて、悩みや不安を相談できていない人がいることが明らかになった。
  • がんになったことに伴う様々な相談にワンストップで応じてくれる体制を希望していた。
  • 患者・家族ともに、他のがん患者や家族と話をすることに対して肯定的なイメージを持っており、集まって話や相談ができる場所の設置を望んでいた。
  • 患者や家族が集まって話や相談をするのに行きやすい場所として、最も多くの人があげた場所は病院であったが、地域での場も求めていた。

メッセージ

  • 身体症状や心のケアのための体制を整備することが必要。
  • がんの診断時から、幅広い悩みや不安に対応できる相談支援体制が望まれる。
  • 医療者が患者や家族の悩みや不安に関心を持ち、解決方法を一緒に見いだしていこうという姿勢が必要。
  • 医療機関は相談支援の場を周知することが必要。
  • ワンストップで相談できる場所の設置が必要。
  • 患者・家族が集まって話や相談をする場の拡充が必要。

調査報告書はこちらからダウンロードできます(外部リンク)

http://www.pref.hokkaido.lg.jp/hf/kth/kak/gan/gan_260630_gansoudansien.pdf