がんの語り手養成講座・3年間の全日程が終了 / 語り手登録者が16人に

がん体験者や家族が自らの体験をまとめ、学校や企業、団体で語ることを目指す「がんの語り手養成講座」は12月7日に発展編(第3回)を行い、札幌市補助事業として3カ年にわたって続けてきた全ての日程を終了しました。今後は報告会を経て来年度以降の活動に備えます。

キャンサーサポート北海道では、がんに関する正しい理解を広げ、がんになっても希望を持てる地域社会を作ることを目指すとともに、自らの体験を伝える方法を学び、地域社会の役に立とうと、独自に開発した語りの作成講座を2015年1月から展開してきました。
実績が評価され、2017年度からは札幌市の「がん体験者派遣体制構築事業」となり、内容を再構成して基礎編(2017年度~)、応用編(2018年度~)、発展編(2019年度~)の三段階となり、段階を踏んで体験を「整理する」「書く」「語る」方法を学ぶカリキュラムとして確立させました。
講座の開催数と受講者は2017年度が3回・23人、2018年度が8回・38人、2019年度が9回・53人で全体では20回に延べ114人です。当初の目標としていた「3カ年で受講者100人」を達成し、基礎編に続いて応用編を受講した方々から「語り手」登録者も16人誕生しました。語り手は既に、小中学校の授業や医療機関の研修会で活躍しています。

最終回となった12月7日の発展編では、11人が受講しました。講座の実績や今後の予定などの説明の後、会の理事が発展編で重点的に取り組んできた「学校向け」「医療機関向け」の語りのポイントを解説。さらに、この日のテーマである「企業向け語り」のポイントに触れたあと、企業研修を念頭に、2人の会員が実際の語りとがんと就労に関する専門的な立場からのプレゼンを行いました。
この後、受講者は企業での発表を想定した原稿をまとめ、最後に全員の前で語りました。働き盛りでがんと分かったときの心境や職場の受け止め方、復職したときの感激など体験者ならではの話が続き、講座のフィナーレを飾るにふさわしい充実した内容となりました。

これでがんの語り手養成講座の全日程は終了します。来年3月28日に報告会を開き、3カ年の取り組みを振り返る一方、来年度以降の活動についても意見を交わす予定です。